第12回研修会が開催されました

2013年2月27日、港区勤労福祉会館にて、第12回研修会が開催されました。

講師の先生4人をお迎えし、当協会の主要活動である在留外国人のための通訳ボランティアをするうえで欠かせない内容をそれぞれのお立場からじっくりお伺いできました。
48名の参加者の方々はご職業も多岐に亘り、皆様の関心の高さを感じました。

まず当協会代表の中村和夫行政書士からのご挨拶と、このテーマについての説明がありました。


まず1限目は、弁護士の皆川涼子先生(東京パブリック法律事務所)に
「外国人児童と弁護士業務〜外国人児童が関係する事件の特徴」のお題のもと、
お話を伺いました。

外国人児童に関わる案件ならではの問題を、可能な範囲で成功事例・失敗事例を交えてお話頂きました。
同じ「親権」という言葉にも国ごとに異なる概念があることから、言葉のみでなく文化・国民性を理解することが必要であることを痛感していらっしゃるということです。
この分野に精通する弁護士が少ないことも課題の一つであるとのことでした。


2限目は、「親権制度の改正と児童相談所の対応」について、
児童相談センター保護第一課専門課長 上川光治 様 にお話しいただきました。


平成20年の法改正後、、「子供の利益のため」という文言が目立つようになり、また児童相談所長の権限は増したものの、縦割りの構造の中でいかに子供の権利を守っていくべきか、課題は尽きることがないそうです。
暴力だけでなく、自分の子供に治療を受けさせないなど医療ネグレクトが多いというデータには驚きました。


3限目は、同じく児童相談センター保護第一課課長の木全玲子様に
「外国人児童が絡む昨今の入管事案、家裁事案の概要」
についてお話頂きました。

平成22年の大阪の事件以来、近所の人たちからの相談件数が増えたということですが、そのうち施設に入る子供は1割程度で、実際には親戚等何らかの助けがあるそうです。
そして、通訳に期待することは、国ごとの考え方の違いを乗り越え、外国の親御さんたちの理解・協力を得られるよう、通訳自ら児童相談所の法的役割をよく理解してほしいと訴えられました。


4限目は当協会代表の中村和夫行政書士が、
「外国人児童が絡む昨今の入管事案、家裁事案の概要」
について最近子供が絡んでいる案件への対応が多少変わってきたような印象を受ける等、簡単に私見を述べられました。

その後の質疑応答は、かなり専門的な質問もあり、皆様の関心・知識の高さを感じることができました。

終了後の懇親会は、遅い時間にも拘わらず18名の方にご参加いただき、賑やかで和やかな、楽しい時間を過ごすことができました。

皆様、真にありがとうございました。